おいしい珈琲を淹れるコツのお話

先日,「珈琲は鮮度が大切!というお話」という記事の中で,「生豆の質」と「焙煎技術」で珈琲の「おいしさ」の約60%は決まってしまっており,あとは「焙煎後の鮮度」と「抽出技術」で残りの40%を工夫するしかない。。といった旨のことを書きました(注:数値はわたしの個人的な感覚でしかありません)が,今回は,「自宅でペーパードリップで珈琲を淹れる」際の「抽出のコツ」をご紹介。

 

これまた,こういう「抽出のコツ」を説明しているサイトは山ほどありますし,それぞれ詳しくいろいろな視点で解説してくれていますが,わたくしの場合は,簡単に「3つのコツ」だけご紹介しておきます。

 

1.沸騰したてのお湯は「ちょっとだけ」時間を置いて使う

2.最初の一湯目にすべてをかける!

3.紙に直接お湯をかけず,湯が落ちきる前に抽出を終える

 

1.沸騰したてのお湯は「ちょっとだけ」時間を置いて使う

 

沸騰したてのお湯を使ってしまうと,

 

・お湯が暴れてしまって,均一に粉に湯を注ぐことが出来ない

・90度以上の高温の場合,苦味が強く抽出されてしまう

 

ことになります。

 

そこで,沸騰したお湯は「ちょっとだけ」時間を置いて,グツグツ沸騰している状態が落ち着いてから使うようにしてください。温度計がある場合は,80~85度くらいのお湯を使うようにすると,最も効率的に珈琲の旨味を抽出してくれます。

 

2.最初の一湯目にすべてをかける!

 

珈琲がおいしく淹れられるかどうかは,最初の一湯目ですべて決まってしまうと言っても過言ではありません。一湯目の目的は

 

・すべての粉に均一にお湯を行き渡らせることで正しいお湯の通り道を作り,ムラなくすべての粉から珈琲の旨味成分を抽出することを可能にする

 

ことにあります(この状態を「蒸らし」と解説してあるサイトや本も多いです)。酸化していない新鮮なコーヒー粉にお湯を注ぐと,コーヒーに含まれる炭酸ガスが抜けて一気に膨らんできます。この膨らみをしっかりと観察しながら,中心から外側へと粉全体にしっかりお湯が行き渡るまで我慢強く慎重にお湯を注ぎます。(※この際,外側にお湯を注ぐときも紙に直接お湯がかかってしまわないように注意)一通り炭酸ガスの放出に伴う膨らみが落ち着き,少量の濃褐色の液体が抽出され始めたら一湯目の役割は無事終了です。

 

3.紙に直接お湯をかけず,湯が落ちきる前に抽出を終える

 

二湯目以降は,少し抽出のスピードアップをします。ここで注意するのは「絶対に紙に直接お湯をかけないこと」「お湯が完全に落ちきる前に次のお湯を注ぎ,お湯が完全に落ちきる前にドリッパーをハズして抽出を終える」ことです。

 

紙に直接お湯を注いでしまうと,せっかく一湯目で作った,「均一にコーヒーの旨味を抽出するためのお湯の通り道」が台無しになってしまいます。

 

また,抽出作業の後半には,コーヒーの旨味だけではなく,渋みやエグみといった雑味も一緒に抽出されてきてしまいます。これを100%避けるのはなかなか難しいのですが,「お湯が落ちきる前に抽出を終える」ことでかなりの防御策になります。「勿体無い」と思わずに,適量を抽出したらさっさとドリッパーをハズして抽出を終えましょう。

 

以上,あまりにも簡単に3つにまとめてしまいましたが,この3つを意識するだけで,確実に味は変わると思いますよ!お試しアレ!!

 

※ただし,品質の悪い豆や酸化して劣化した豆をおいしく淹れることを可能にすることは出来ませんのでご了承ください。