交流分析においては,誰もが「Parent(P)」「Adult(A)」「Child(C)」の3つの自我状態を行き来していると考えます。(※「交流分析における【3人の私】のお話」参照)
そして,その3つの自我状態は,実際の人付き合い(対人コミュニケーション)において,【5つのポジション(立ち位置)】として表出します。
(P)の影響を受け,「相手よりも優位に立とう」とするポジションが2つ。
・CP(Critical Parent)
自分の価値観や信念に基づき,相手を導こうとするポジション
・NP(Nurturaling Parent)
保護的,養育的な立場で相手を守ってあげようとするポジション
(C)の影響を受け,「相手に好かれよう」とするポジションが2つ。
・FC(Free Child)
自分の感情をストレートに出し,相手に注目してもらおうとするポジション
・AC(Adapted Child)
相手の顔色を伺い,相手に合わせることで嫌われまいとするポジション
(A)の影響を受け,上下関係なくフラットに接するポジションが1つ。
・A(Adult)
客観的に現実を吟味し,冷静に「情報交換」をしようとするポジション
勿論,誰を相手にするかによって「5つの中のどのポジション(立ち位置)からコミュニケーションをとるか」は変わってくるのですが(後輩にはCP,NP的に接するが,先輩にはFC,AC的な立場をとる。。など),
全体的にみると,その人特有の【5つのポジションの特徴的なバランス】が存在することがわかってきます。
・自分の価値観や倫理観を相手にも認めさせようとするCPの高いタイプ
・思いやりに溢れ,時にお節介なほど世話を焼きたがるNPの高いタイプ
・自分のやりたい事は我慢せず,自由奔放に振舞うFCの高いタイプ
・周囲に気を遣い,自分を抑えて相手に合わせようとするACの高いタイプ
・常に冷静沈着で,合理的・論理的に判断しようとするAの高いタイプ
人によってはどれか1つのポジションが極端に高かったり(低かったり),また2つのポジションが同じくらい高かったり(低かったり)。。
どうですか?自分や周囲の人で思い当たるところはありませんか?
この5つのポジションのエネルギーの大きさとバランスを計測するために考案されたのが「エゴグラム(egogram)」で,日本では質問紙法によって点数を集計し,グラフで視覚化することで「性格検査」としても用いられています。
この「5つのポジションのバランス」を知る事は,単にその人の「性格特性」がわかるというだけではなく,「その人とどう付き合えばコミュニケーションエラーが起きにくくなるか?」を教えてくれることになるのです。
CPの高い人にはAC的に合わせることで相手の価値観を認めつつ,Aで論理的に話をすることで相手のAを引き出すことが出来るかもしれませんし,FCの高い人には同じくFCで面白楽しく接するか,NPから世話を焼いてあげることで上手く付き合えるかもしれません。
どうでしょう?ちょっと面白そうだと思いませんか?