【駆り立てるモノ=ドライバー】のお話

ドライバー(Driver)とは,アメリカの臨床心理学者であるTaibi Kahler氏らが発見し,1970年代初頭に発表した

 

「秒単位の短時間に表出する,各個人に特徴的な5つの行動パターン」

 

のことで,その個人の「パーソナリティ特性」を知る上で大いに役立つものです。

 

このドライバーは「生まれつき+幼少期の生育環境の中で身につけた【行動パターン】」であって,特にストレス下において明確に表出し,その人の行動を「駆り立てる」役割を果たします。

 

5つのドライバーとはそれぞれ

 

◆完全であれ=Be Perfect
・姿勢:直立した,左右バランスのとれた
・身振り:指で数える,あごをなでる,両手の指先を山型に合わせる
・表情:会話の途切れに,一方向を見上げる,口元はやや緊張し,軽く閉じる
・言葉:挿入句や括弧つきの言い回し,数字で要点を挙げる「いわば」「御覧のように」
・口調:早口で歯切れがよい,なめらか,明確な発音

 

◆他人を喜ばせよ=Please Others
・姿勢:肩をすぼめて前かがみ,相手の方に身を傾ける
・身振り:うなずく,両手を伸ばす
・表情:眉を上げ,下から見上げる,額に横皺をよせる,歯を出し大げさに笑う
・言葉:常に同意を求める。疑問符つきの言い回し。高揚して始まり落ち込んで終わる
・口調:高い,キーキー声,特に文章の最後があがる

 

◆努力せよ=Try Hard
・姿勢:身を前に乗り出す,みをかがめる
・身振り:頭(目や耳)の横に手を置く,手を固く握りしめる
・表情:眉間に皺を寄せる
・言葉:「なに?えっ?」「~努力します」「できません」
・口調:緊張した,締め付けられたような,ためらいがちな

 

◆強くあれ=Be Strong
・姿勢:不動の,閉じた(腕や足を組む)
・身振り:ほとんど身振りがない
・表情:動きがない,感情を表に出さない
・言葉:「~させられた」「~させられる」自分や相手と距離を置くような言い回し
・口調:単調で抑揚がない。通常低めの声

 

◆急げ=Hurry Up
・姿勢:イライラし,せわしなく姿勢を変える
・身振り:貧乏ゆすり,指でコツコツ音をたてる,そわそわする
・表情:素早い,頻繁に視線を変化させる
・言葉:「早く,急ごう,時間がない」「さあ,やろう」
・口調:スタッカート,マシンガン,一気に話す,せかせかする

 

といった感じ。

 

ちなみに,わたしをご存じな方なら一発でおわかりだと思いますが(爆),わたしは確実に「完全であれ」「強くあれ」のドライバーを持っています。

 

これは,わたしが幼少期に「忘れ物やケアレスミスを厳しく指摘され(ミスがないとき,テストで100点を取ったときには大いに褒められ)て育った」ことや「二人姉弟で,姉と比較して【男のくせに】【男なんだから】と常に言われて育った」ことを思い起こすと極めて「納得のいく」結果です。

 

もしも幼少期に「親戚の前でいつも歌を歌うことで褒められた」経験があれば「他人を喜ばせよ」のドライバーが強くなったかもしれませんし,「結果よりも過程を重視」するような教育を受けていれば「努力せよ」のドライバーが強くなっていたかもしれません。

 

自分(相手)のドライバーを知っておくことが出来れば,その「ドライバー行動」が顕著に表出したときは「強くストレスを感じている」状態であることに気づくことが出来ます。

 

そして,「ドライバー行動」が顕著に表出していることに気づいた時には,「Aの機能」を使って客観的(冷静)になり,「ポジティブストローク」で自分(相手)を満たすことで,早めに「ストレス状態」から脱することが出来るようになるのです。

 

あなたは,またあなたの身近な方はどんなドライバーを持っているでしょうか?