「職人」と「商人」と「商売人」のお話

個人的な話ですが,2011年はわたしにとってかなり激動の年となりました。

 

昨年(2010年)の夏に8年間続けた珈琲店主という仕事を辞め,半年ほど心理学の勉強をしたりこれからの人生を考えたりと充電?した後,今年の3月にITマーケティングの会社に就職。さらに12月にはアパレル会社に転職し,「人生の新しいステージ」に突入する年となりました。

 

そんな中,「充電」期間中に何度も自分の中で整理しながら考えていたのが表題にある「職人と商人と商売人」の違いについてです。(※画像は本文とはまったく関係ありません。。爆)

 

別にこれらの単語の「定義」を正確に見出したいワケではなく,単純に自分の中で整理したかっただけなのですが,12月から新たな職場に勤め始めて約3週間。あらためてその「違い」が自分の中で明確になってきたような気がするのでメモとして書き留めておきたいと思います。

 

大手広告代理店のサラリーマンを辞めて自ら珈琲店を開業しようと思い立った時,自分では「職人としてのセンスも商人としてのセンス」もそれなりに持っているつもりでおりました。

 

が,結局は「職人」としても「商人」としても道を究められるだけのセンスを持ち合わせておらず,「赤字」は出さないが満足いく「黒字」も出せない「趣味レベルの商売」しか継続できませんでした。

 

一般的な「職人」と「商人」の定義とは異なっている可能性が高いので,あらためて「わたしにとっての定義」を整理しておくと。。

 

わたしにとっての「職人」とは,1か月に100点満点の仕事が10個しか出来ないのであれば,10個以上の仕事を一切受けず,その代わり受けた仕事には必ず100点満点で「質のニーズ」に応える「徹底したプロ意識」を持った存在であり,「商人」とは自らの商品を求めるヒトが20人いるのであれば,1個あたりの仕事の質を多少落としてでも(最低限の合格点はクリアしていることが条件ですが),20人全員に商品を提供し「量のニーズ」にすべて応える「徹底したサービス精神」を持った存在です。

 

わたしには「職人」としての「プロ意識」も「商人」としての「サービス精神」も足らず,結果「75点の仕事を15人に提供する」といった,「質のニーズ」にも「量のニーズ」も満足させられない中途半端な結果しか導き出せませんでした。

 

ちなみに,わたしにとっての「商売人」とは,「1か月に100点満点の商品(仕事)は10個しか作れない。でも,商品(仕事)を求めるヒトは20人いる」状況に対し,何よりもまず「100点満点の商品(仕事)を20人に提供する方法」を模索するセンスを持ち合わせている人です。

 

そのために人を雇う必要があるのか?機械を導入する必要があるのか?「自分の限界の中で処理を検討する」のではなく,「自分の限界を超えるためにはどんな方法が可能なのか」を常に先んじて考えることが「商売人」のセンスなんだろうと思います。 「職人」としても「商人」としても中途半端なわたしには「商売人」としての視点とセンスなど持ちうるハズもなく。。

 

これが,自らの個人事業主としてのキャリアに見切りをつけた大きな要因の一つです。

 

12月から勤め始めたアパレル会社のオーナーとはまだ1対1でじっくりと話をしたことはないのですが,彼と一緒のミーティングに参加してみた印象の中で,わたしにとっての「職人」とも「商人」とも異なる「商売人」の香りを強く感じます。

 

「職人」としても「商人」としても半端者のわたくしではありますが,「商売人」のセンスを持ったオーナーの下で組織に属することでその半端なセンスをそれなりに有効に活かすことも可能でしょうし,その半端ぶりを自覚し,「心理学」を通して「ヒトの話を傾聴するスキル」を学んでいる今,「職人」でも「商人」でもない「教育者」としての自分のセンス(これも中途半端な可能性大ですが。。)を活かす方法も模索したいと考えています。

 

今後「趣味レベルの商売」でも「自分の人生の残りを充実させるには十分!」と判断することがあれば再び「個人事業主」に戻ることも「アリ」だとは思っておりますが,そう感じられる日がくるまでは「あらゆる分野においてB級」である自分を「たかがB級,されどB級」と自信を持って言えるレベルまで成長させていくこと。。

 

それが来年(2012年)の課題ですかね。