OK牧場@交流分析のお話

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OK牧場(OKぼくじょう)
1.アメリカ合衆国アリゾナ州トゥームストーンにあった、OK牧場の決闘が戦われた場所。
2.OK牧場の決闘を題材にした西部劇映画、「OK牧場の決斗」。
3.ガッツ石松のギャグのひとつ。
4.心理学用語のひとつ。
5.日本のロックバンドのひとつ。
6.のび太と銀河超特急に登場する、ガンスモークシティの設備のひとつ。
7.かつて北海道内でチェーン展開していたジンギスカン店。

となっていますが,今回お話するのはもちろん4の「心理学用語」としての「OK牧場」です。

これは,フランクリン・アーンスト・ジュニア氏が1971年に発表した理論で,交流分析の創始者であるエリック・バーン氏が提唱した「四つの『人生の立場』」と,成人が人生で使う「社会的戦略」との関係を示す四つのマトリックスです。

その四つのマトリックスとは右上図のようなもので,「四つの立場」はそれぞれ

◆第一の立場:I am OK ,You are OK with me
 わたしにとってわたしはOKである。あなたもOKである

健康的に自分の価値と他人の価値を共に認める立場。ストローク不足に陥ったり,ラケット感情に浸ったり,ゲームを仕掛けたりすることのない立場

◆第二の立場:I am not OK , You are OK with me
 わたしにとってわたしはOKではないが,あなたはOKである

自分に自信が持てず,自己卑下をしたり問題解決から逃避したりする立場。後悔,不安,罪悪感といったラケット感情に浸りがちで消極的,依存的,従属的な態度をとる

◆第三の立場:I am OK , You are not OK withe me
 わたしにとってわたしはOKだが,あなたはOKではない

他人に強い疑惑,反感を抱き,相手を支配したり排除したりしようとする立場
怒り,優越感,嫌悪感といったラケット感情に浸りがちで攻撃的,排他的態度をとる

◆第四の立場:I am not OK , You are not OK with me
 わたしにとってわたしはOKではない,あなたもまたOKではない

他人を信じることも,自分の存在意義を認めることも出来ず,自分のカラに閉じこもってしまう立場。恐怖,絶望感,拒絶感といったラケット感情に浸りがちで他人との交流をやめてしまう

という特徴を持っています。

交流分析の理論全般に共通していることなのですが(わたしが気に入っている理由),自我状態の「構造分析」や「機能分析」と同様,このOK牧場においても,

人は四つの立場のどこか一つにずっと立ち止まっているワケではなく,「常に四つの立場の間を行き来している」と考えます。

勿論「第一の立場」に常にいることが出来れば,人は「自分のことを嫌いになることも他人のことを嫌いになることもない」,満たされた幸せな生活を送ることが出来るのですが,残念ながらほとんどすべての人は,人間関係でストレスを感じると,すぐに他の立場に移動してしまうのです。

例えば,わたしの場合,何か人間関係でストレスを感じると,一瞬「あ,俺ってダメだな=第二の立場」と思うものの,次の瞬間には「いや,悪いのは俺じゃなくて相手の方だ。俺はちゃんとやってる=第三の立場」と考え直し,そこで比較的長い時間イライラすることが多いです。結果,「相手もダメだけど,俺もダメなのかな=第四の立場」という感覚に至るのですが,幸い,これまでは短時間で「くよくよしても仕方ないから,気分入れ替えて頑張ろう!=第一の立場」と立ち直ることが出来ています。

つまり,わたしの場合は「第二の立場」や「第四の立場」に長居することはない傾向にあるので,重要なのは「第三の立場」に陥ってしまった時にいかに早く「気づき」,そこから脱することが出来るか!。。ということになります。

みなさんはどうですか?「第四の立場」に長時間滞在してしまうと人間関係自体が崩壊してしまう恐れがありますので,おそらく「第二の立場」か「第三の立場」のどちらかに滞在する時間が長い,という方が多いのではないかと思います。

「第二の立場」に陥りがちの方,Iam not OKと感じた時は,もっと自分の「良い部分」に目を向け,自分が周囲に「貢献している」ことに気づいてください。

「第三の立場」に陥りがちの方,You are not OKと感じた時は,独りよがりにならないよう,周囲の意見に耳を傾けることを心がけてください。

 

「過去と他人は変えられない。変えることができるのは,今,ここの自分だけである」

 

のですから。。!