「カフェオレ様」と「自己愛性パーソナリティー障害」

2012/05/06

 

2012年5月2日,電通総研から「草食系男子に続く新しい男子像、“カフェオレ様”」というニュースリリースが発表されました。

 

 ニュースリリース(PDF)

 
「カフェオレ様」とは,女性的な趣味や外見へのこだわりを持つ半面,女性への接し方や自己向上意欲において「オレ様」的な男らしさを持つという,“女性的な行動”と“男性的な性格”がカフェオレのようにブレンドされた新しい男性像を指すそうで,「カフェオレ様マインド」を持った「予備軍」まで含めれば20代男性の40%に及ぶとのこと。


【カフェオレ様の7大特徴】 

 

1.同性に対して「女性的」な接し方。2人に1人は「男同士で恋愛トークをする」。

 

2.美容アイテムも日常的に利用。「ヘアワックス」「化粧水」の利用率は7割。

 

3.特定の「お気に入りブランドあり」は7割。10人に4人が「下着」にもこだわる。

 

4.女性に対しては“オレ様”キャラで接する傾向。「積極的にアプローチする」は6割。

 

5.高い向上心とサバイバル意識。10人に7人が「忙しくても出世したい」。

 

6.同性異性に関わらず、影響力が強い。7割が「薦めた商品を友人が使った」経験がある。

 

7.消費にも意欲的。1カ月で自由に使える金額は 平均50,938円。

 

上記が「カフェオレ様」の特徴だそうで。。。


なるほどねぇ。。電通総研さんもいろいろと考えてますなぁ。。

 

と感心する一方で,4/29に放映されたNHKスペシャル【職場を襲う新型うつ】という番組を視聴して,「新型うつ」に陥る20代の若者が増加の一途をたどっている。。という事実に複雑な感情を抱いていたわたくしとしてはちょっと不安になることがありまして。。


上記番組で「新型うつ」が増えている一因に「自己肯定感の不足」「欲求不満耐性の不足」が挙げられていたことから,「うつ病」というよりは「パーソナリティー障害」傾向が強いのではないかと感じ,あらためて「パーソナリティー障害」関連の書籍を読み直していたところなのですが,


今回電通総研が発表した「カフェオレ様」に該当する人物像って,


DSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会が定めている精神疾患に関するガイドライン)における


「自己愛性人格障害」の診断基準(5つ以上が当てはまると障害の可能性あり)

 
1.自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)


2.限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。


3.自分が"特別"であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達に(または施設で)しか理解されない、または関係があるべきだ、と信じている。

 

4.過剰な称賛を求める。


5.特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。


6.人間関係で相手を不当に利用する。つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。


7.共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気付こうとしない。


8.しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。


9.尊大で不遜な行動、または態度。


において,明らかに5項目以上が当てはまるんじゃないでしょうか?


勿論,この「パーソナリティー障害」ってのは非常に「性格的特徴」と「病気」との判別が難しく,一般社会生活を円滑に営むことができる限りは「障害」ではないんですけど,

 

「障害」という単語をハズして「自己愛性パーソナリティー傾向」として考えてみた場合,これ,無関係とは思い難い。。

 

なんかちょっと「ゾッと」するんですけど。。気のせい。。であってほしい。。